はぐれ日記 印象派

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城壁都市としての東京

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東京の山手線に乗って東の方面をくるりと回るといつも思うのは、線路に面してビッシリと立ち並ぶビル群が、断崖絶壁や巨大な壁、城壁みたいだっていうこと。

 

大都市はその中心を、高い壁で囲って守っている。隙間には仕事や買い物をする住人をこれまたビッシリと詰め込んで、壁の修繕と侵入者に対する防御を任せている。

 

守りは想像以上に固く、侵入は容易ではない。電車に乗り込んだ精鋭たちは、立ったり座ったりおしゃべりをするフリをしながら、壁を突破する隙をうかがう。どんなに鉄壁の守りにも、必ず手薄になっている箇所があるはず。Tシャツやサンダルでリラックスムードに見せかけながら、車窓からビル群を見つめる眼光は鋭い。

 

そうして、今だ、ここなら行けると踏めば、躊躇なく安全な電車から飛び出し、颯爽と雑踏に紛れて侵入を試みる。侵入が成功するかどうかは五分五分。失敗すれば、いつの間にか守りの勢力に取り込まれ、城壁の間でスペースを埋め、次の襲撃に備えるようになっている。

 

中央とその他を隔てる沈黙の壁。隙間から見える夕焼けの空がゆらゆら、黒光りするガラス張りのビルの壁面に反射するのが見えた。

 

梅雨が明け、良い夕焼けが増えるような気がして、何だか少しソワソワする。